近藤聡乃:KiyaKiya |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 10月 12日 |
《KiyaKiya》 2010-2011 3年ぶりの個展となる本展は、新作アニメーション「KiyaKiya」とそのドローイング、油彩、スケッチで構成されます。 タイトルになっている「KiyaKiya」は「胸がきやきやする」という古い日本語から取った言葉です。近藤は、澁澤龍彦『少女コレクション序説』中の「幼児体験について」という一編で、この言葉と出会いました。「何とも説明しがたい、懐かしいような、気がかりなような気分」、「既視感(デジャ・ヴュ)」の気分を表すこの言葉の存在を知ったことが、「KiyaKiya」シリーズ制作のきっかけとなりました。 アニメーションでは、少女が紙芝居を演じ続けています。近藤は紙芝居のページの表裏に時差があること(観客が絵を見ながら聞いている話は、その前の絵の裏に描いてある。つまり紙芝居の紙の表裏には、1ページ分の時差がある。)に気づいた時、日常生活のすぐ後ろにある、ほんの少しずれた別の世界の可能性を感じたと言います。 作品中では、3つの世界が進行しています。どの世界にも同じ少女が存在し、それぞれの時間を過ごしながら、その軌道が少しずつずれ、互いに干渉し合い、入れ替わり、それでも気づかずにその軌道を回り続け、それを永遠に繰り返します。 本展は、ずっと忘れていた大事なことがあったような、それを今にも思い出してしまいそうな、そんな息苦しいような懐かしい体験をさせることでしょう。 また「KiyaKiya」のスケッチ原画集を弊ギャラリーにて先行発売いたします。 新作アニメーション「KiyaKiya」のためのスケッチ原画200点を収録した、著者の初となる作品集。ブックデザインは人気デザイナーの寄藤文平氏が担当。透けのある本文用紙に、原画に忠実に特色4色で再現した一枚一枚が重なった美しい一冊です。 ※全文提供: ミヅマアートギャラリー 会期: 2011年10月11日(火)~2011年11月12日(土) |
最終更新 2011年 10月 11日 |