鮫島大輔:Terror |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 18日 |
鮫島大輔は、多摩美術大学大学院絵画専攻油画コースを修了後、美術館での発表をはじめ、個展やグループ展など、数多くの展覧会に参加し、精力的に発表を続けています。『トーキョーワンダーウォール公募2002』の大賞をはじめ、様々な受賞歴もある、これからの活躍がさらに期待される1979年生まれの作家です。 鮫島は球体に風景画を描いた「flatball」シリーズで広く知られています。風景画といっても、郊外や新興住宅地などがモチーフとされ、そこには、誰しもが何処かで見たことがあるが、気に留めずに通り過ぎてきた風景が切り取られています。また、本来はその内側に絵を飾る機能をもつはずの額縁そのものに風景を描いたシリーズもあります。そこでは、観者の頭の中で、かつて見た風景と想像上の景色が重なり合い、ぽっかり空いた真ん中の空間に、新しい景色が呼び起こされます。 こうした球体や額縁といった変形の支持体に風景を描くシリーズに加え、最近では通常の四角いキャンバスの絵画作品にも積極的に着手しています。モチーフとなるのは日常のどこにでもある風景なのですが、そこには、嵐が訪れるかのような空が描きこまれ、何かが起こるその直前の瞬間が切り取られているかのようです。 球体や額縁を支持体として用いる、あるいは嵐の直前のような空を描き込む、そうした日常を異化する仕掛けを用意することで、鮫島は、我々を取り囲むどこにでもある風景を、再発見させようとしているのです。無限に広がる意識に留まることすらないこの日常の風景を、鮫島の作品は、「再び」発見することを繰り返し我々に促すのです。 現代における風景画の可能性を探りつづける鮫島大輔の作品世界。 ぜひこの機会に多くの方々にご覧いただければと思います。 ■ 7月17日 (日) 18:00~ ■ 7月23日 (土) 19:00~ ■ 7月24日 (日) 15:00~ 全文提供: Art Center Ongoing 会期: 2011年7月13日(水)-2011年7月24日(日) |
最終更新 2011年 7月 13日 |