Three Sweet Melancholic... 神韻縹渺 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 4月 11日 |
いのとみか・大原舞・根本裕子による3人展。 ここに紹介する3人の作家達の作品づくりは、それぞれが心の中の奥深い森へと分け入り、そこであまやかな物思いに耽ることからはじめられているようだ。そこは、決して長居をしてはいけないと知りつつも、立ち去る事を躊躇うほどに心地好い。森の中では見た事もないモノたちが彼女達のもとに集まり、彼女達によって命が吹き込まれる。そこでは彼女達が造物主(神)であり、すべてを生み出す母の様な存在なのかも知れない。 『Three Sweet Melancholic... 神韻縹渺』 いのとみか が描く世界に棲んでいる力の抜けたような存在を、人は「可愛い」とか「癒される」と表現する。それは非常に単純な線で描かれ、一見無表情の中に、実は狂気を孕んでいるようにさえ見える。 異界とのボーダーラインを行ったり来たり。 ボールペンで描かれる大原舞の画面からは、ドロッとした時間の流れが感じられる。それは膨大なボールペンの線が時間の流れと長さを象徴するものだからであろう。堪えきれない程の長い時間を表す一方で、観る者を一瞬にしてその中に引きずり込む。 なぜか体温を感じさせる根本裕子の陶器の作品は、その強い存在感とは裏腹に形の境界線がぼやけた印象を与えるのはなぜだろう。手びねりによって産み出される偶発的な形は、観る者の視線を捉えて離さないばかりか、確実に体の中に侵入してくる。 今回の展示では三者三様の作風がユニゾンで歌うように重なりあい、あまやかで物憂い時間の中で絶妙な調和を生み出します。どうぞ神韻縹渺たる世界をお楽しみください! ※全文提供: TOKIO OUT of PLACE 会期: 2011年4月22日(金)-2011年5月29日(日) |
最終更新 2011年 4月 22日 |