展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2009年 12月 08日 |
ざっくりとした麻やパッチワークをした白い綿布の上に、大きな白いシャツを着て両手を身体の前で合わせた人物がひとり、油彩で描かれています。
支持体の灰茶や白色の布の持つ普段着のような素朴な味わい、荒いタッチの絵具の盛り上がり、顔立ちも曖昧に描かれた誰とも知れない姿。ささやかだけど、温かで清潔で静謐な雰囲気の漂う作品です。
松山隼は2009 年大学院を修了した若手作家です。立体によるインスタレーションなど様々な手法で制作をしていますが、今展では修了制作でも描かれた『今日のお祈り』というテーマの油彩画約10点を中心に展示致します。
松山のモチーフは、「自分にとって絵画とはどうあるべきなのかと考えた結果、祈りたくなるような崇高な気持ちを受け止めてくれるような存在であってほしい」という作家自身の想いから始まります。
「宗教をもっているひとであれば、宗教画に近いかもしれません。素朴でシンプルに描かれていながら、心の重要な一部となるような役割を与えたい。」そう語る画面には、制作に対するひたむきさ、真摯で誠実で敬虔な気持ちが満ちあふれています。
不安な時代に、私達は日々祈るような気持ちで過ごすことが多いのではないでしょうか。宗教など具体的なものを持たなくとも、誰もが今日という1 日を背筋を伸ばして素直な気持ちで過ごせそうになる『今日のお祈り』です。
松山隼(JUN MATSUYAMA)プロフィール 1985 宮城生まれ 2009 東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻洋画領域修了 2009 東北芸術工科大学出身の若手アーティストとアート系学生のためのシェア・アパートメント『ミサワクラス』にレジデンス
個展:2008 Jun Matsuyama OPEN STUDIO / 中本誠司現代美術館宮城
グループ展: 2005 ART INDEPENDENT CONTEST / 東京ビッグサイト 2008 『Myth in us /私たちの神話』/ TOTAL MUSEUM ソウル 2008 美術館ワンダーランド/ 豊科市近代美術館長野 2009 2008年度東北芸術工科大学卒業/ 修了研究・制作展山形、東京 2009 肘折版現代湯治2009『肘折温泉逗留芸術家2009』/ 肘折温泉山形 2009 ART SMASH / gallery Q 東京
プロジェクト:2009 ミサワクラス+ASIA HOUSE / 山形(web→http://gs.tuad.ac.jp/misawa/)
※全文提供: INAX ギャラリー2
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最終更新 2010年 1月 06日 |