展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 12月 13日 |
作家コメント ここ最近の僕の興味の対象は「解らないもの、不明瞭なもの」です。 視覚的に形がつかめないものは見入ってしまう。 例えば、暗闇にいる人の顔、崩れてしまったケーキ、見たことも無いようなうねりを持つ巨木・・・。 心で理解できない事も、ずっと考えてしまう。 人の持つ暴力性や優しさ、信仰心や宗教etc・・・・。 理解しがたいものに出会った時に自分の記憶の中にあるイメージピースをかき集めて目の前に起こった、「理解しがたいもの」に似たイメージを作り上げる事をして、少しでも理解しようとします。 絵を描く行為や理由が「理解する事」にある。 人は理解できないものに不安を感じます。 絵を描く人は、描ききれないモチーフに挑戦しようとします。 より複雑(または、シンプル)で、美しいものを選んでいこうとする。 その行為には「理解できないもの」への不安を解消しようとする気持ちが働いているように思います。 目の前にある物質やマテリアルを理解しようとする行為なのだと思います。 そして描き終えた時に、少しの不安の解消と、新たな疑問が浮かび上がる、もしくは解消されないまま残る。 解消されなかった疑問は次の表現を生み出す。 「解らないもの」への興味が芸術の本質としてあるのだと思うのです。 もし、人類にとって埋葬が、芸術や宗教の発端だとしたら、そこには「美」より「疑問」の方が大きかったように思います。 人の「死」に対する疑問、隣にいる人がいなくなったときにどう思ったら良いのか? 「死」をどう考えれば良いのか、どう受け止めれば良いのか?「悲しい」とは何なのか? 疑問の果てに、埋葬をするという行為でしか、心の解消を出来なかった人間たちがいたのだと思います。 その理解しようとする行為が、今僕たちがしている「表現」なのではないでしょうか。 「美しい」と言う感情すら、実は理解できていないのだと思います。
作家略歴 1978 大阪生まれ 2004 京都造形芸術大学大学院芸術表現学科修了
個展 2002 ギャラリーCASO(大阪) 2007 「再生の器」CUBIC gallery(大阪) 2008 「FANTASISTA」CUBIC gallery(大阪)
グループ展 2001 第8回リキテックスビエンナーレ(SPIRAL・東京) 2002 混沌から躍り出る星たち(SPIRAL・東京) 2004 混沌から躍り出る星たち2004(SPIRAL・東京) 2006 almost painting(gallery Yamaguchi kunst-bau・大阪)、絵が自ら語り始めるということ(gallery RAKU・京都)、GRANDCAFEにてライブペイント(大阪) 2009 Cloud Rain or Fine(ルーチェペルテオープンスペース・愛媛)
受賞 第8回リキテックス・ビエンナーレ(特別賞)
※全文提供: Oギャラリーeyes
会期: 2010年12月6日(月)-2010年12月11日(土)
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最終更新 2010年 12月 06日 |