作家コメント 草花を見るとき、私は無意識にその時の心境を重ねている。 たとえ沈んだ気持ちのときでも、自分の胸の内を具現化した対象として映る花は、黙って寄り添ってくれるような安らぎをもたらす。 ふわっと受け止めてもらうような、目に見えない感触に、心がほぐれていくような気がする。
私にとってそれは、人と会って話をする中での心地いい沈黙に、少しだけ似ているように思う。 会話途中の少しの‘間”のような、言葉を交わしていない状態の時、相手の内面の窓が少し開いて、内にあった空気のようなものが、こちらにすーっと流れてきたことを感じるような瞬間がたまにある。 相手の発する言葉だけを追っていたのでは分からない、見えない部分に触れることが出来たような、とても感覚的なものだ。 結果的に話の内容に一致した部分が得られなかったとしても、そんな感触を持てたということだけで、なんだか「会って、話をして良かった」と思えることがある。
私の表現したい目に見えない感触は、目の前に存在していることから受けるものであると同時に、生きているということを感じる温度を持ったものかもしれない。
略歴 1968 神戸市生まれ 1991 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業 1993 京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
個展 1998 ギャラリーすずき(京都) 1999 ギャラリーマロニエ(京都) 2001 ギャラリーすずき(京都) 2003 ギャラリーすずき(京都) 2004 ギャラリーマロニエ(京都) 2007 Oギャラリーeyes(大阪) 2008 Oギャラリーeyes(大阪) 2009 ギャラリーマロニエ(京都)
グループ展 1999 美浜美術展(福井県立美術館・福井) 2000 2000新鋭美術選抜展(京都市美術館・京都)・具象絵画の新しい地平(セルフ-ソウ アートギャラリー・大阪)・ART:SYNAPSE2000(ギャラリーマロニエ・京都) 2001 セッション(大阪府立現代美術センター・大阪) 2002 2002新鋭美術選抜展(京都市美術館・京都) 2005 UNEASINESS Ⅲ(信濃橋画廊・大阪)・裏・アートマップ(京都芸術センター・京都) 2006 京都府美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館・京都)・個のしごと展Ⅷ(信濃橋画廊・大阪)・ART WAFERS(海岸通りギャラリーCASO・大阪) 2007 前田寛治大賞展(倉吉博物館・鳥取)・TRIAL in painting(Modern Culture Center・韓国
※全文提供: Oギャラリーeyes
会期: 2010年6月14日-2010年6月19日
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