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地に還る│地から足を離す/Return to the ground│Off the ground
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2018年 10月 01日

2018年/ポートランドでのレジデンス期間中に開催したオープンアトリエの様子

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2018年9月28日(金)から10月14日(日)まで、小出麻代による展覧会「地に還る│地から足を離す Return to the ground│Off the ground」を開催いたします。

    2007年に京都精華大学芸術学部造形学科版画専攻卒業、2009年に同大学大学院芸術研究科博士前期課程版画分野修了した小出麻代(こいで・まよ/1983年・大阪生まれ)は、おもにインスタレーション作品として、シルクスクリーンや写真などのプリント、型抜き成型したシリコンによるオブジェクトなどとともに、ガラス、鏡、電球、糸、紙、落ち葉、枝、石など、私たちの身の回りで目に触れ・手に触れる素材を空間に配します。小出の「つくったもの」と「みつけたもの」は、自身の記憶や体験を出発点に展示空間内に点・線として配されます。その素材・形態・位置・距離・在り方など鑑賞者の様々な焦点によって関係性を見出され、個々の「風景」として、あるいは鑑賞者の記憶や想像を依り代とした「情景」として立ち現れます。
  小出はそれらが見出され、呼び出されるための十分な「間」を取ることに注意を払いながら、空間内に「もの」を丁寧に配置しますが、近年では光(と影)、あるいは鏡(と虚像)などによって生じる関係を用いることで、ものと鑑賞者と空間のそれぞれが出会い(すれ違う)「瞬間」を内包させることにも意識を向けているように思えます。

  また小出は、空間や素材への意識はそれぞれが含み持つ「歴史」(時間)への眼差しとして、近年では土地やものを始点としたリサーチにも積極的に取り組んでいます。
  「自分がどう生きていくか、どう生きていけるか」を考える中で、「豊かさとは何か」へと思考を進める小出は、 本展に先立つ8月より1ヶ月間のポートランド(アメリカ)でのレジデンスに参加しました。短い滞在ながらもポートランドの歴史や人々の暮らしに触れるなかで小出は、『手を動かし続けることは、祈ることと似ている』と感じたと言います。

  手を動かすことで今日を明日に繋ぎ、より良い明日を想い・願い・祈るだけでなく、そんな明日を「つくる」ために手を動かす。
  本展において小出は、会場となる空間にじっくりと留まり、目線を変えながら、自ら手を動かし、「もの と もの」、あるいは「もの と 鑑賞者」との関係性を想い・願いながら、制作を進めてきました。
   自然光の変化により「見えるもの / 見えないもの」が昼夜や偶然によってその様相を変化さる本展において、鑑賞者の皆様にもそれぞれの「豊かさ」を見つけ出していただければ幸いです。

http://www.galleryparc.com

全文提供:Gallery PARC


会期:2018年9月28日(金) 〜 2018年10月14日(日)
時間:11:00~19:00
休日:月曜日
会場:Gallery PARC

最終更新 2018年 9月 28日
 

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